ゲーミングおかあさん

ゲームと歌とわたし

わからないないないや 心がステップして

ボカロをほとんど聴いてなかった頃、MVをみてかわいいめっちゃかわいい!と感動したのが、あの娘シークレットっていう曲だった。アニメーションのふわふわポップな感じがとても好きで、何度もリピートしているうちに曲まで好きになってしまった。

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めずらしく昨日はぜんぜん眠れなかった。体は疲れているのに、頭はびっくりするほど冴えていた。そんな夜はきまっていろんな感情が勝手にぐわんぐわんと動き出す。夜のまっくら闇とかしーんとした静けさとかよりも、そっちのほうがよっぽどおそろしい。

昨日は激しい嫉妬で頭がおかしくなりそうだった。ふだん、嫉妬のようなちょっとどろりとした感情はなるべくさらさらになるように、ひとてまかけて処理をしているからおおごとにはならないんだけど、夜中の嫉妬は凶暴で手に負えなかった。苦しかった。とても。感情を吐き出しているうちに頭をやわらかい鈍器で殴られているような頭痛と腹痛がおそってきたので、薬をのむために起き上がって廊下の電気をつけたら、不思議なことに少しだけ感情がおとなしくなった。ただ灯りをつけただけで。やっぱり暗闇にはそうゆう力があるんだなと思った。

薬を飲んで、お湯を沸かして、マリアージュの紅茶を淹れて、大好きなやさしい香りが広がるキッチンでゆっくりゆっくり飲んでいるうちに、だんだん正気を取り戻すのを感じた。ステップどころかのたうちまわるように暴れていたこころが、わたしのなかに戻ってきた。夜中にちょっと高級な紅茶を、自分のためだけに淹れるのはとてもぜいたくなことだ。でも、そのおかげで、どこまでも続くように思えた苦しい時間に終わりが見えたし、ぎゅうっと力が入っていた体もやんわりとほぐれた。

それから、いつかよしもとばななさんの小説で読んだ、あなたは眠る時に力をぎゅっといれてしまうからいいにおいのするクッションだか抱き枕を抱いて寝るといいよっていうくだりを思い出して、やわらかくてふかふかのクッションをぎゅって抱きしめて目を閉じたら、もう嫉妬はときどきチクっとする程度に遠のいていて朝までぐっすり眠れた。

夜にはいくつものトラップがあって、それは甘かったり、怖かったり、欲望だったり、絶望だったりいろんな顔をして潜んでる。一度はまるとなかなか抜け出せない。そんなときは、思い切って電気をつけて、自分のためにていねいに何かをするのがいいのかもしれないと思った。紅茶を淹れる、湯船につかる、パックをする、ラーメンを作る、きっとなんでもいい。自分のなかの何かを満たして、明るい部屋でこころを落ち着ける。めちゃくちゃ単純でバカみたいな方法だけど、わたしにはそれが効果てきめんだった。ならばマリアージュは決して切らしてはならないし、とっておきの何かっていう切り札を何枚か用意しておくのはとても大事なことだ。

しょうがない。あとでフランセの聖なるミルフィユを買ってこよう!