ゲーミングおかあさん

ゲームと歌とわたし

ざっと4000日

長男のサッカー人生が終わった。

サッカーをはじめたのは、小学1年生の6月。運動会の徒競走で何度も転び、泣きながらゴールした数週間後のことだった。休み時間にサッカーで遊んでいたとき、特に仲良しでもなかった子に「サッカーうまいじゃん、一緒にやろうよ」と誘われたのがきっかけだったそうだ。

突然「サッカーチームの体験に行きたい」と言われ、わたしも夫も目を丸くした。どうみても運動が得意そうには見えないのに。よりによってサッカー?ほんとうに?でも、体験入部から帰ってきたときのキラキラした目と、「思ってたより上手でびっくりした」と興奮する夫の顔をみて、ああこれはもう観念するしかないと思った。その日のうちにウェアやシューズを買い、翌週には正式に入部した。

あれから、ざっと4000日。はじまりと同じように、おわりを決めたのもやはり彼の強い意志だった。大学でも続ければいいのに。草サッカーのチームに入ればいいのに。まわりからはいろんなことを言われたようだけれど、本人は「ここまで十分やった。これからはサッカー以外のことも楽しみたい」そして、「日焼けをしない夏を過ごしてみたい」と言って笑った。

最後の試合に負けた後、ピッチには両膝をついて泣いている彼がいた。小学生のときも、中学生のときも、どれだけまわりが泣いていても泣かなかったのに。みんなが感動するような映画やドラマをみても、涙ひとつ流さないあの子が。顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくっていた。

先生やコーチ、後輩たちに囲まれて、たくさんの労いと励ましをもらっている姿を目に焼き付けながら、この場に立ち会えて本当によかったと思った。大変なこともたくさんあったし、3年になってからは怪我の治療とリハビリでつらい思いもした。でも、終わってみれば全部が思い出だ。よくがんばった。楽しかった。「みんなで寿司食って帰るからお金ちょうだい?」といって笑う彼の目は真っ赤だったけれど、あの日と同じようにキラキラしてた。

わたしたちは親だから、誰の目にも止まらないような小さな光でもちゃんと見つけられる。だからどうか、これからの人生も、自分のペースで、自分らしく輝いてほしい。なるべく笑顔で、なるべく楽しく。

とりあえず、おつかれさーん!